産業用ロボットとは、工場や製造現場で人間の代わりに様々な作業を自動的に行う機械です。これらのロボットは、効率的で正確な作業を24時間休みなく行うことができ、生産性の向上や品質の安定化に大きく貢献しています。例えば、皆さんが普段使っているスマホやPCなどを生産するときにも、部分的に産業用ロボットが使われています。
サービスロボットとの違いは?
最近、ファミレスで見かけるようになった配膳ロボットや災害時に救助支援を行うレスキューロボットなどのサービスロボットとの違いとしては、製品の生産を手助けするかしないかです。産業用ロボットは製品の生産を手助けしますが、サービスロボットは製品の生産の手助けを行いません。
つまり、僕はサービスロボットの一種ということになるね
産業用ロボットの種類
多関節ロボット(アームロボット)
多関節ロボットは、人間の腕のような動きを再現できるロボットで、主に自動車産業や重工業で使われます。自由度が高いため、複雑な作業にも対応できます。
主な特徴
- 軸の数:通常6軸(回転、上下、左右、前後の移動が可能)
- 用途:溶接、塗装、組立、部品の搬送
- メリット:複雑な動作が可能、作業範囲が広い
- デメリット:価格が高く、設置や運用に専門知識が必要
代表例:
自動車工場では、ドアやエンジンを組み立てたり、溶接作業を行う多関節ロボットが活躍しています。ここではトヨタさんの動画を紹介しておきます。
2. 直交ロボット(XYZロボット)
直交ロボットは、3つの直線的な軸に沿って動くため、単純で正確な動きが得意です。精密部品の組み立てや搬送装置の一部として広く使用されます。
主な特徴
- 構造:縦(Y軸)、横(X軸)、奥行き(Z軸)に直線移動
- 用途:製品の搬送、部品配置、3Dプリンタの制御軸
- メリット:設計・制御が簡単、比較的低コスト
- デメリット:直線的な作業しかできず、複雑な動作は苦手
代表例:
プリンターやCNC加工機でも直交ロボットが使われ、精密に部品を移動させます。ここではIAIさんの直行ロボットの動画を紹介しておきます。
3. スカラロボット(SCARA:Selective Compliance Assembly Robot Arm)
スカラロボットは、水平面での作業に特化したアーム型ロボットで、主に高速な組立作業に使用されます。
主な特徴
- 構造:2本の水平軸を持ち、上下の動きも可能
- 用途:電子部品の挿入、ネジ締め、製品の組立
- メリット:高速で正確、コンパクトな設置が可能
- デメリット:水平面の作業に限られる
代表例:
スマートフォンの基板に部品を取り付ける際に活躍します。ここではヤマハさんのスカラロボットの動画を紹介しておきます。
4. パラレルロボット(デルタロボット)
三角形のリンクを持つパラレルロボットは、軽量物の高速ピッキングに特化しており、食品や医薬品の製造ラインでよく使われます。
主な特徴
- 構造:複数のアームが一つのベースから支えられ、三次元空間で動く
- 用途:食品包装、製品の高速仕分け
- メリット:高速で精度が高い、軽い物を効率的に扱える
- デメリット:重い物の取り扱いには不向き
代表例:
製菓工場で、ベルトコンベアを流れるお菓子を瞬時に仕分けます。ここではファナックさんのパラレルリンクロボットの動画を紹介しておきます。
5. 協働ロボット(コボット)
協働ロボットは、人と一緒に安全に作業できる設計になっています。センサーや力覚フィードバック機能により、人にぶつかると自動停止するなどの安全機能が充実しています。
主な特徴
- 構造:多関節アームに加え、安全センサーを搭載
- 用途:部品の組立補助、検査、軽作業
- メリット:人と同じスペースで働ける、安全機能が充実
- デメリット:大型で重い作業は苦手、作業速度は遅め
代表例:
作業員の隣で部品を渡したり、簡単な組立作業を補助します。ここでは株式会社アールティさんのからあげの盛り付け作業を人と一緒に行っている協働ロボットの動画を紹介しておきます。
産業ロボットの中にもいろいろな種類があるんだね
以上、産業ロボットについて、解説してきました。
普段生活している中では、産業ロボットが目に入ることはほとんどありません。しかしながら、産業ロボットが人の代わりに製品を生産することで、我々が安価で製品を入手できていることは確かです。これからの社会的にますます、産業ロボットが活躍し、人の生活がよりよくなることが期待されています。