私たちの生活において、ロボットはますます身近な存在になっています。
しかし、ロボットとは何か?
と問われたときに、ちゃんと答えられる人は少ないのではないでしょうか?
私自身、理系の大学院に所属しておりますが、それをいきなり問われれば口がちゃんと動きません笑。
そこで、ロボットの基礎知識について解説していきます。
そして、この記事を読めば、なんとなくロボットを理解できた気がする程度になれば幸いです。それでは行きましょう!
初心者でもわかりやすく解説していくから安心してね!
ロボットの定義
まず、ロボットといわれて、何を思い浮かべるでしょうか?ドラえもんとか鉄腕アトムとか、、、。
最近でこそ、ロボット掃除機やファミレスでよく見かける配膳ロボットなど人型じゃないロボットを見聞きするようになりましたが、人型の機械を連想することが多いのではないでしょうか?
「ロボット」という言葉の語源は、1920年にチェコの作家カレル・チャペック(Karel Čapek)が書いた戯曲『R.U.R.(ロッサムズ・ユニバーサル・ロボット)』にあります。この作品で「ロボット」という言葉が初めて使われました。彼の兄であるヨセフ・チャペックが「robota(労働、奴隷)」というチェコ語を元に「robot」を考案したと言われています。チェコ語の「robota」は「強制労働」や「労働」を意味し、ロボットが人間に代わって働く機械的な存在として描かれたことが由来です。
そこから、「ロボット」という語義が多様化していき、最近では「人の代わりになんらかの作業を、ある程度の工程なり手順なりを自動的かつ連続的に(かつ効率的に)行うもの」という定義になりました。
確かに先ほど触れたロボット掃除機や配膳ロボットなども人の代わりに自動的に作業を行ってますね!
ロボットの歴史
次に、ロボットの歴史について、軽く触れておきましょう。
古代から中世
古代ギリシャやローマでは、アルキメデスやヒーロー・オブ・アレクサンドリアのような科学者が、水力や風力を使った自動装置を考案しました。これらは現代のロボットには程遠いものの、自動機械の始まりを示しています。
18〜19世紀
18世紀のヨーロッパでは、時計職人や技術者が自動人形(オートマタ)を製作しました。これらは精巧な歯車やバネを使い、人間や動物のような動きを再現しました。
19世紀には、産業革命が始まり、機械の自動化が進みました。これはのちに工業用ロボットの基礎となりました。
20世紀初頭
1920年に、カレル・チャペックの戯曲『R.U.R.』で「ロボット」という言葉が生まれ、機械的な労働者の概念が広まります。
1950年代になると、アメリカのSF作家アイザック・アシモフが「ロボット工学三原則」を提唱し、ロボットの倫理や未来像が描かれました。
20世紀後半
1961年には、世界初の工業用ロボット「ユニメイト(Unimate)」が導入され、自動車工場で溶接作業を行うなど、ロボットの実用化が始まりました。
1970〜80年代には、ロボット技術がさらに進化し、産業界に広く普及。日本をはじめとする各国で、製造業におけるロボットの導入が加速しました。
21世紀
現代では、産業用ロボットだけでなく、AIを搭載したロボット、介護や医療、教育、サービス分野で活躍するロボットが登場し、ますます日常生活に溶け込んでいます。特に、人型ロボットや自律移動するロボットの開発が進み、未来社会に向けた期待が高まっています。
ロボットの種類
ロボットを大きく分けて、産業用ロボットとサービスロボットに分けることができます。詳しい定義については後で触れますが、わかりやすい違いとしては何か製品の生産に関わるかどうかです。産業ロボットは製品の生産を人の代わりに手助けするロボットですが、サービスロボットは生産に関わらずに人の役に立つロボットです。
産業用ロボット
産業用ロボットは、工場や製造現場で使われるロボットです。主に自動化や効率化のために導入され、特定のタスクを繰り返し行うように設計されています。
ちゃんと定義を知りたい人向けに産業用ロボットの定義を紹介すると、以下のようになります。
自動制御され、再プログラム可能な多目的マニピュレータで、3軸以上でプログラム可能であり、産業環境における自動化用途で使用するために、その場に固定するか移動プラットフォームに固定することができるもの
(原文まま)automatically controlled, reprogrammable multipurpose manipulator (4.14), programmable in three or more axes, which can be either fixed in place or fixed to a mobile platform (4.16) for use in automation applications in an industrial environment (参照:ISO 8373:2021)
マニピュレーターって何?
マニピュレーターとは、JIS B 0134:2015によれば、互いに連結され相対的に回転又は直進運動する一連の部材で
構成され,対象物(工作物,工具など)をつか(掴)み,通常,数自由度で動かすことを目的とした機械。 と定義されていますが、要は産業用ロボットのアームの部分です。人間でいうと、肩から手首までの部分に相当します。
- 例: 溶接ロボット、組立ロボット、塗装ロボット
- 用途: 自動車製造、電子機器の組立、食品加工など
産業用ロボットの詳しい解説は以下の記事に書いています。興味があれば読んでみてください。
サービスロボット
サービスロボットは、人間と直接関わる作業を行うロボットです。ホテル、飲食店、医療施設、家庭など、さまざまなサービス業界で使用されています。最近の身近なところをいうと、ファミレスで人の代わりに配膳するロボットとか変なホテルでの接客ロボットとかあります。
ちゃんと定義を知りたい人向けにサービスロボットの定義を紹介すると、以下のようになります。
産業オートメーションの用途を除き,人又は機器のために有用なタスクを実行するロボット
(参照:JIS B 8445の3.4)
- 例: お掃除ロボット(Roomba)、配膳ロボット、ペッパー(SoftBank)
- 用途: 清掃、接客、介護、カスタマーサポート
まとめ
なんとなく理解できればOKよ!
これまでロボットの定義から種類、歴史について説明してきました。なんとなくロボットについて理解できたでしょうか?とりあえず、ロボットは人の生活をよりよくする自動機械であると理解しておけば大丈夫でしょう。
昨今、chatGPTだのperplexityだの生成aiが注目されていますが、これからの時代はロボットだと少なくとも筆者は考えます。最近でいうと、ENGINEAIやUnitreeなどの中国のロボットベンチャーが盛んですが、筆者の思いとしては日本でよりロボットベンチャーが盛んであってほしいと切に願います。
本ブログでは、最新のロボットニュースを初心者にわかりやすく解説する予定です。そして、少しでもロボットに興味を持った人が、日本のロボット業界を盛り上げてくれると幸いです。